星の元素合成
地球には金、銀、銅、ウランといった様々な物資が存在しているが、これらはなぜ存在するのだろうか。その鍵は宇宙における星の進化にある。宇宙では138億年前から様々な過程を経て、陽子、中性子を材料として様々な元素が作られてきた。特に鉛より重いウランは速中性子捕獲過程(r過程)と呼ばれる核反応のみによって起こり、それが星の超新星爆発といった極限環境下でしかなされないと考えられ、現在も研究が進められている。r過程を経る原子核は極めて中性子過剰な原子核であり、実験的にその性質を得るのは(現時点では)極めて難しい。特に反応を支配するのは反応Q値であり崩壊Q値である。Q値とは反応間の質量差であり、それゆえに未知原子核に適用可能な原子核質量理論が重要となってくる。
また、r過程理論計算における核分裂による生成過程は近年まであまり顧みられていいなかった。現在、アクチノイド、超重核領域の研究で発展させた核分裂研究の成果をもとに、r過程における核分裂効果の研究を進めている。
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