センター長あいさつ

令和4年4月より先端基礎研究センター長を拝命しました。本センターの発展のために全力を尽くす所存です。

国立研究開発法人「日本原子力研究開発機構」(JAEA)は、我が国における唯一の原子力研究開発に関するCenter of Excellence(COE)として、基礎・基盤研究と原子力に関するプロジェクト研究を推進していく機関であり、日本原子力研究所と核燃料サイクル機構の統合により2005年に発足しました。

「先端基礎研究センター」(ASRC)は、原子力研究開発の課題に対して原理、現象の根源に立ち返ってこれを解決するとともに、一般の基礎科学との協調により、原子力の発展のみならず他の分野の開発をも先導する研究の発展を図ることを目的として、1993年に日本原子力研究所内に設立されました。その後JAEAの発足や量子科学技術研究開発機構の分離独立などの組織改変がありましたが、30年近い月日を経た今も、ASRCの設立理念は変わっていないと考えています。

現在は、「原子力先端核科学」と「原子力先端材料科学」の2分野・6研究グループと、両者をつなぐ先端理論物理研究グループの7つの研究グループを設定し、JAEA のビジョンが掲げるニュークリア×リニューアブル(原子力と再生可能エネルギーの融合)の実現に向けて、原子力科学における未踏分野の開拓を進め、新原理・新現象の発見、新物質・材料の創製、および革新的技術の創出を目指しています。

21世紀は資源・エネルギーの枯渇や、温暖化などの地球規模の環境問題が喫緊の課題であり、原子力科学が果たす役割はますます重要になっています。ASRCでは、自由で独創的な発想による研究を強化し、分野を超えた研究交流、国内外との研究連携、そして基礎と応用の循環による原子力イノベーションを推進していきます。また、オープンで競争的な環境下での人材交流と人材育成にも貢献します。
皆様のご支援、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

先端基礎研究センター長
高梨 弘毅

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