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News-Archive ( before 2022. 2 ) こちら

NEWS ( ~ 2023. 6 )

2023/6/26 - 29
Dual Nature 国際ワークショップを開催しました。物質科学研究センター(播磨)と共催で、国際ワークショップ “The 10th International Workshop on the Dual Nature of f-electrons”を姫路市で開催しました。ワークショップには、日本、アメリカ、フランス、ドイツ、韓国などから約70名の研究者が参加し、f電子系化合物の最新の研究成果の発表と議論が行われました。当グループからは、酒井宏典、石飛尊之、北澤崇文の3名が招待講演者に選ばれ、発表を行いました。
 
2023/6/23
第850回基礎科学セミナー
アメリカのアイダホ国立研究所で強相関アクチノイド化合物の物性研究を行なっているKrzysztof Gofryk博士に来所いただき、「Piezomagnetism in UO2: actinide science at high magnetic fields」というタイトルで、第850回基礎科学セミナーを行っていただきました。
 
2023/6/1
プレス発表「ウラン化合物におけるカイラリティを持つ超伝導状態を解明を行いました。東京大学との共同研究により、ウランを含む超伝導体であるウランテルル化物(UTe2)においてカイラリティ(掌性)を持つ超伝導状態が実現していることを実験的に明らかにしました。本研究の成果は、超伝導状態の基礎的理解を進展させるとともに、カイラル超伝導が持つ特異な性質が新たな量子技術の開発につながることが期待されます。
 
2023/5/24
第843回基礎科学セミナー
京都大学大学院工学研究科の吉村一良教授に来所いただき、「遍歴電子磁性の最近の展開」というタイトルで、第843回基礎科学セミナーを行っていただきました。


2023/5/12
プレス発表「新・超伝導状態: ウラン系超伝導体の超純良単結晶で発見―磁場によって性格を変える超伝導―を行いました。我々は昨年、超伝導性能が格段に向上するUTe2の超純良単結晶の育成方法を開発しました。今回、その育成方法を開発した酒井宏典研究主幹が中心となり、超伝導転移温度が向上した単結晶を用いて、磁場や温度を変えながら、超伝導の性質を精密に調べました。その結果、低磁場超伝導状態と高磁場超伝導状態との間に、両者が入り混じった新しい超伝導状態が存在することを発見しました。本研究の成果は、米国物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載され、日刊工業新聞、電気新聞、日経新聞(Web版)、」Yahooニュース等で紹介されました。

2023/5/11
第842回基礎科学セミナー
中央大学理工学部で重い電子系物質の研究を行っている
河野洋平博士が来所され、「量子臨界領域におけるYbRh2Si2の磁場角度分解熱力学量測定」というタイトルで、第842回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2023/5/5
解説記事「
NMRで探るウラン系スピン三重項超伝導の物理」(徳永陽酒井宏典,北川俊作,石田憲二)が日本物理学会誌78巻5号に掲載されました。

2023/4/4

2022年度センター長賞を受賞しました。
ウランを含むスピン三重項トポロジカル超伝導体UTe2の新たな超純良単結晶育成法を確立した功績により、酒井宏典研究主幹が2022年度のセンター長賞を受賞されました。受賞タイトルは「Development of a method for growing high quality single crystal of the superconducting uranium ditelluride」です。おめでとうございます。
 
2023/4/1
2023年科研費補助金 学術変革領域研究(A)が採択されました。
2023年度科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)「アシンメトリが彩る量子物質の可視化・設計・創出」が新規研究領域として採択されました。当グループの客員研究員である鬼丸孝博教授(広島大学)が領域代表を務め、グループメンバーの田端千紘研究員が計画研究代表者、芳賀芳範研究主幹が計画研究分担者として研究に参画します。
 
2023/4/1
2023年科研費補助金 基盤研究(B)に採択されました。
2023年度科学研究費助成事業 基盤研究(B)「重い電子系の複合自由度を用いた新奇トポロジカル量子相の探索と電子構造の解明」(代表:徳永陽グループリーダー)が新規研究課題として採択されました。物質科学研究センターのアクチノイド科学研究グループ (藤森伸一グループリーダー)と協力して、重い電子系化合物におけるトポロジカル量子相の研究を進めて行きます。
 
2023/4/1
2023年科研費補助金 基盤研究(C)に採択されました。
2023年度科学研究費助成事業 基盤研究(C)「超精密磁気熱量効果で解明する新奇量子相」(代表:常盤欣文研究副主幹)が新規研究課題として採択されました。
 
2023/4/1
2023年科研費補助金 基盤研究(C)に採択されました。
2023年度科学研究費助成事業 基盤研究(C)「強相関金属におけるスピン軌道相互作用の増強と新奇超伝導の探索」(代表:久保勝規研究主幹)が新規研究課題として採択されました。
 
2023/4/1
2023年科研費補助金 基盤研究(C)に採択されました。
2023年度科学研究費助成事業 基盤研究(C)「ウラン同位体をプローブとする物性研究の開拓」(代表:芳賀芳範研究主幹)が新規研究課題として採択されました。
 
2023/4/1
石飛尊之さんが博士研究員として新たにメンバーに加わりました。

2023/3/2 
第833回基礎科学セミナー
ウィーン工科大学固体物理学研究所でトポロジカル電子物性の研究を行われている江口学博士が来所され、「Study of topological semimetals and insulators across the correlation spectrum」というタイトルで、第833回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2023/2/22

 アウトリーチ活動の一環として、Petr Opletal 研究員が東海村立照沼小学校を訪問し、国際交流事業に参加しました。小学5、6年生の児童の皆さんと交流し、出身地であるチェコ共和国の歴史や文化について紹介しました。

2023/2/20 
第835回基礎科学セミナー
当グループの客員研究員である東京都立大学の堀田貴嗣教授に、「Hoイオンに創出する3チャンネル近藤効果」というタイトルで、第835回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2022/11/30~12/2
黎明ワークショップを開催しました。
“Superconductivity, Structural Complexity and Topology of UTe2 and Aperiodic Crystals”というタイトルで国際ワークショップを開催しました。ワークショップでは急速に研究が進んでいるスピン三重項超伝導体UTe2を中心に、強相関電子系の準結晶やトポロジカル現象についての講演と議論が行われました。欧米からの参加者15名を含む、約50名の参加がありました。当グループの酒井研究主幹がUTe2に関する招待講演を行いました。

2022/10/5 

第828回基礎科学セミナー
当グループの客員研究員である東北大学金属材料研究所計算材料学センターの鈴木通人准教授に、「磁気対称性の破れとバンド縮退の分裂が生み出す輸送現象」というタイトルで、第828回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2022/8/29 - 9/9

令和4年度夏期休暇実習生の受け入れ 本年度は「f電子系の磁性と超伝導の実験手法による研究」と「変分モンテカルロ法による強相関電子系の研究」という2つのテーマで実習を行いました。全国4大学から計8名の学生の皆さんに参加いただきました。
 
2022/7/29
プレス発表「身近な塩で超純良ウラン超伝導物質の育成に成功!―次世代量子コンピューターへの応用に期待―」を行いました。
ウランテルル化物 (化学式UTe
2) は、次世代量子コンピューターへの応用が期待されるトポロジカル超伝導体の候補物質です。超伝導性能の向上のために、純良な単結晶が必要です。世界中の研究者がUTe2単結晶育成に取り組んでいますが、機能の障害となるわずかな元素欠損を取り除くことができませんでしたが、今回どこにでもある身近な塩を使った結晶育成法を考案し、元素欠損のない純良な結晶を得ることに成功しました。
 
2022/6/2 

第818回基礎科学セミナー
当グループの客員研究員である高輝度光科学研究センターの筒井智嗣主幹研究員に、「熱電材料における重元素置換による熱伝導度抑制に寄与するフォノン分散」というタイトルで、第818回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2022/5/1
田端千紘さんが研究員として新たにメンバーに加わりました。
 
2022/4/27
2022年科研費補助金 基盤研究(S)に採択されました。
2022年度科研費補助金の基盤研究(S)「ウランも含む強相関トポロジカルスピン三重項超伝導の物理」(代表:青木大)が採択されました。今後、東北大学、京都大学と共同でウラン化合物の強相関トポロジカルスピン三重項超伝導体に関する共同研究を進めて行きます。
 
2022/4/6
2022年度黎明研究に採択されました。
2022年度黎明研究 “Utilizing the complementarity of microscopic and macroscopic probes in frustrated magnetic materials and topological superconductors research”が採択されました。今後、チェコ・カレル大学とフラストレート磁性体およびトポロジカル超伝導体に関する国際共同研究を進めて行きます。
 
2022/4/1
今年度から新たに客員研究員として、鬼丸孝博教授(広島大学)、鈴木通人准教授(東北大学)に我々の研究に参加していただくことになりました。
 
2022/4/1
北澤崇文さんが特別研究生として新たにメンバーに加わりました。
 
2022/4/1
米国物理学会誌Physical Review BのEditors' Suggestionに選出されました。
京都大学、東北大学、グルノーブル大と共同執筆したウラン系超伝導体に関する論文が、Physical Review BのEditors' Suggestionに選出されました。
https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.105.L140502
 
2022/4/1
新たに「強相関アクチノイド科学研究グループ」が発足しました。
旧グループ名「重元素材料物性研究グループ」



Introduction

2022年度から、新しい研究グループが立ち上がりました。私たちの主要なテーマは、ウラン化合物を中心に、強く絡み合う多数の電子(強相関電子)によって創発される新奇な磁性や超伝導を探索し、そのメカニズムを解明することです。そこで得られる新しい知見は、広く物質科学の発展に寄与するとともに、全てのアクチノイド科学に貢献します。

Outlook

アクチノイド化合物では、1980年代の重い電子系超伝導や「隠れた秩序」の発見を皮切りに、強磁性と超伝導がミクロに共存する強磁性超伝導、スピン三重項トポロジカル超伝導など多彩な物理現象が数多く発見されています。これらに共通するのは、いずれも他の化合物群では見られない、独自の新しい物性を示すことです。例えば URu2Si2 という化合物の「隠れた秩序」は、発見から30 年以上経っても未だにその類型すら見つかっていません。また現時点でスピン三重項トポロジカル超伝導体の有力な候補物質は、ほぼ全てアクチノイド化合物です。また2019年に発見された新しい超伝導体UTe2は、次世代量子コンピュータへの応用が期待され、その超伝導機構の解明のため、国際的に熾烈な研究競争が繰り広げられています。アクチノイドは原子力のみならず、物質科学の領域においても非常に魅力的かつユニークな元素なのです。
我々は高度な単結晶育成技術とNMRや中性子散乱など先端物性プローブを組み合わせ、強相関アクチノイド化合物の新奇な電子物性の研究を進めます。またアクチノイド科学領域をさらに拓くために、(i) アクチノイドを含む薄膜 や (ii) アクチノイドのイオン性化合物など、新しい挑戦も試みます。これらを通じて、物質の新しい電子状態や概念も探索してゆきます。

Methods

アクチノイド化合物は取り扱いが難しく、本格的な物性研究を行える場所は、世界的にも限られています。私たちの強みは、放射性物質を扱える原子力機構の施設を用いて、高純度のアクチノイド元素を含む単結晶試料を育成できることです。本質的な物性を明らかにしてゆく上で、試料の純良性は非常に重要です。また、これら純良単結晶を、核磁気共鳴(NMR)や、ミュオンスピン回転・緩和(μSR)、中性子散乱、熱・電気・磁気輸送測定などの先端実験手法を用いて、極低温、高圧、強磁場などの極限環境下における物性研究を行います。物性理論の助けも借りて、新奇な電子状態の観測につなげてゆきます。


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