Spin-Energy Science Group

RESEARCH

Introduction

電子の磁力の源、スピンの謎に迫る

物が壁をすり抜ける。常識外れのことが、量子力学の描き出すナノの世界では起きる。実はこの現象、磁気記憶素子の性能向上に役立つなど、すでに電子機器に利用されている。
電子機器の主役は電子である。一つひとつの電子は、決まった値の電荷(電気の素)とスピン(磁気の素)をもつ。電子の電荷の流れ「電流」を制御・利用するのがエレクトロニクスであり、情報通信社会を支える基盤技術となっている。だが、増え続ける電子機器利用はエネルギー消費の観点から将来的な問題を抱えている。
そこでもう一方、磁気を担う電子スピンの流れ「スピン流」に注目が集まっている。(つづき)




currents
Essays

矛盾するビジョンのモザイク Science is a mosaic of partial and conflicting visions.

母校の校友会誌に寄稿した文章。エンデもダイソンも安野光雅も心の中で生きています。(城北会誌第68号 p.22 July 2020)

現世のアジール、カキカイリョウ Present asylum, Kaki-Kai-Ryo

愛する下賀茂への思い。(赤門合氣道 Vol.59 p.72 July 2018)

ドイツでの生活と研究 Das Lebens und die Forschung in Deutschland

2015年のドイツ滞在記。(基礎科学ノート Vol.23 No.1 February 2017)

スピン起電力-ファラデーの法則を越えて Spinmotive Force ‒ Beyond Faradayʼs Law

スピン起電力の解説記事です。(基礎科学ノート Vol.21 No.1 December 2013 )

金研、原研、ぼくの街 KINKEN, GENKEN, my abode

村人になるまでの人生ダイジェスト。(赤門合氣道 Vol.51 p.38 June 2010)

Topics

「インダクタ」のサイズを10000分の1に!超小型化できる新原理を考案[プレス発表]

電子回路の基礎となる素子「インダクタ」の機能について、絶縁体の薄膜を用いることにより、従来型インダクタと同等の電力効率を保ちつつ、サイズを抜本的に小型化できる新原理を考案し理論的に検証しました。(詳細はこちら) あわせて、原子力機構の広報誌に掲載された インタビュー記事もご覧下さい。

ナノ磁石の磁気エネルギー地形の測量に成功[プレス発表]

確率的に振る舞う新規スピントロニクス素子を用いて、ナノメートルサイズの磁石(ナノ磁石)に関する未解決問題を実験で初めて検証し、ナノ磁石の外場(磁場や電流)下の動作を記述する数式を解明しました。(詳細はこちら)

磁化反転に応用可能な新原理トルクを世界で初めて実証~磁気メモリの大幅な省電力化が期待~ [プレス発表]

ワイル点と呼ばれる特殊な電子状態をもつ酸化物の磁石ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO3)において,電気による磁化反転に応用可能な新原理を実証しました。(詳細はこちら)

電気回路の基本要素 -インダクタ- の「ねじれ」をほどく [プレス発表]

量子相対論効果である「スピン軌道相互作用」により、量子現象に基づく創発インダクタ機能が、より普遍的な(空間的に一様な磁気構造を持つ)磁性材料で生じることを理論的に明らかにしました。(詳細はこちら)

スピンの響き、超音波で奏でて中性子で聴く [プレス発表]

工業用磁性材料として広く用いられるイットリウム鉄ガーネット(YIG)において、スピン・格子結合が100K以上の温度で抑制されることを超音波と中性子を組み合わせた新実験手法により明らかにしました。(詳細はこちら)

スピントロニクスの大幅な省電力化につながる新原理を発見 [プレス発表]

磁性体の磁気が、電気抵抗に影響されず電圧によって省電力で制御されるメカニズムを、電子の持つ数学的構造「トポロジー」に基づき新たに見出しました。(詳細はこちら)

電気で操る磁石の研究で新発見~電子スピンで「沈黙の磁石」にGHzのモーター回転~ [プレス発表]

強い磁気を内部に秘する「沈黙の磁石」反強磁性体に電子スピンを作用させたときに生じる現象を調べ、内部のカイラルスピン構造が無磁場中で恒常的に回転する新現象を発見しました。(詳細はこちら)

電力制御の小さな横綱「パワースピントロニクス素子」の開発に道 [プレス発表]

電子回路の基本的な性質「インダクタンス」を電子スピンの特性を活用することにより広範囲に制御する新しい方法を見出しました。(詳細はこちら)

放射線に負けない熱電発電の実現に向けて [プレス発表]

電子スピンを利用して熱から電気を生む「スピン熱電素子」が、非常に高い放射線耐性を示すことを、重イオン加速器と放射光を使った実験で初めて実証しました。(詳細はこちら)

原子力機構の研究と社会との関わり

第14回原子力機構報告会(2019.11.12)の第一部トークセッション発表映像。 (動画 [WMV:1.88GB]) ○司会者兼パネリスト:門馬 利行(原子力機構 事業計画統括部長) ○パネリスト(五十音順):松本 隆 氏(株式会社日産アーク 代表取締役常務)、村上 朋子 氏(一般財団法人日本エネルギー経済研究所 戦略研究ユニット 原子力グループ マネージャー)、安井 至 氏(一般財団法人持続性推進機構 理事長 経済産業省 資源エネルギー庁 原子力小委員会 委員長)、竹中 信吾(原子力機構 広報部長)、家田 淳一(原子力機構)*役職は報告会開催当時のものです。

スピンによるエネルギー有効利用と展望

第14回原子力機構報告会(2019.11.12)での発表映像と報告資料。 (動画 [WMV:499MB]) (報告資料 [PDF:2.09MB]) あわせて、原子力機構の広報誌に掲載された インタビュー記事もご覧下さい。

磁石の中を高速に伝播する「磁気の壁」の運動を電圧で制御することに成功 [プレス発表]

絶縁体を介して磁石に電圧を加える「電界効果」という手法を用いて、秒速100メートルを超える高速な磁気の壁(磁壁: N極とS極の境界)の運動を制御することに世界で初めて成功しました。(詳細はこちら)

スピン流を利用した不揮発メモリ

JST-JAEA共催「新技術説明会」(2018.1.18)での発表映像。 (Youtubeに移動

液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明 [プレス発表]

水銀やガリウム合金のような液体金属中で、金属の流れによって生じる渦運動と、その金属原子中の電子の自転運動が相互作用することを理論計算により発見しました。(詳細はこちら)

ナノスケールの極薄磁石の向きを垂直にそろえる新機構を発見 [プレス発表]

金属表面や異種材料の界面ごく近傍に存在する特殊な磁場の働きにより、磁石の向きを膜面垂直に揃える新しいメカニズムを解明し、適切な材料選択によりナノスケールの極薄磁石でも極めて強力な垂直磁化膜を作ることができることを理論的に見出しました。(詳細はこちら) あわせて、原子力機構の広報誌に掲載された インタビュー記事もご覧下さい。

銅やアルミニウムで磁気の流れを生みだす原理を発見 [プレス発表]

音波注入によって振動する金属中における磁気の流れを精密に表す基礎方程式を導き、音波注入によって金属中にスピン流を生みだす新しい原理を発見しました。(詳細はこちら)

直流磁場から交流電圧を生み出す機構を発見 [プレス発表]

スピン起電力のユニークな性質を用いることで、直流磁場を交流電圧に直接変換する機構を発見しました。(詳細はこちら)

磁石のミクロな運動が生む電気の高出力化機構を解明 [プレス発表]

磁気異方性の大きな物質中では、磁壁の運動からこれまでの100倍の大きさのスピン起電力が安定して生成されることを理論的に明らかにしました。(詳細はこちら)

あらゆる物質で利用可能な新たなスピン流注入手法を発見 [プレス発表]

磁気のダイナミクスを利用することで、極めて汎用的なスピン流注入手法を発見しました。さらにこの方法は電界により制御可能であることを明らかにし、これにより従来用いられてきた方法の1000倍以上のスピン流を作り出すことに成功しました。(詳細はこちら)

回転運動から磁気の流れを生みだす手法を発見 [プレス発表]

一般相対性理論を取り入れた電子の磁気の流れを記述する基礎方程式を導き、物体の回転(加速運動)によって電子の自転の向きを揃えて磁気の流れを生みだす新しい現象を発見しました。(詳細はこちら)

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