グループリーダー / 田村 裕和(Hirokazu TAMURA)
2018年度から当グループの客員リーダーとなりました。本務は東北大学理学研究科です。
専門は実験核物理で、ストレンジネスを含む原子核やハドロンの研究を通して、クォークからハドロン、ハドロンから原子核が作られる仕組みをすっきりと理解できるようになるのではないかと期待しています。
特に、ガンマ線分光などによってハイパー核の構造を詳しく調べ、そこからハイペロン・核子間の相互作用や、核内でのバリオンの性質変化を明らかにすることに取り組んでいます。
また、こうした研究を中性子星内部の物質の理解にもつなげたいと考えています。
実験は、もっぱらJ-PARCハドロン施設で行っています。
当グループでは、たくさんの学生や若手を含む研究者が互いに刺激を与えながら夢中で最先端研究を進めており、さらなる発展を期待しているところです。
E-mail: tamura[atmark]lambda.phys.tohoku.ac.jp
マネージャー / 研究主幹 / 佐甲 博之(Hiroyuki SAKO)
2003年まで、AGS,RHIC,CERN-SPSにおける重イオン衝突実験によりQCD相転移の物理を研究してきました。
2004年からはJAEAに移りJ-PARCリニアックにおけるビーム物理を研究に従事し、
加速器の建設に携わってきましたが、2010年から、
先端研ハドロン物理研究グループの立ち上げとともにメンバーとなりJ-PARCにおけるメソンビームを用いたハドロン実験を行っています。
特にTPCを用いたHダイバリオン探索、バリオン共鳴のスペクトロスコピー等様々な実験に興味を持っています。
また将来的にJ-PARCにおける重イオン加速計画を検討しており、重イオン衝突により中性子星の密度に達する高密度状態を創り出し高密度におけるQCD相構造を明らかにすることが夢です。
E-mail:sako[atmark]post.j-parc.jp
研究主幹 / 丸山 敏毅(Toshiki MARUYAMA)[理論グループ兼任]
もともとはシミュレーションによる重イオン反応機構の研究をしていました。
特に、分子動力学の低エネルギー領域への適用や、統計崩壊計算との接続、クォークの分子動力学の開発などです。
2000年頃から原子核物質の相転移に伴う非一様構造や、高密度天体の研究をしています。
E-mail:maruyama.toshiki[atmark]jaea.go.jp
研究主幹 / 長谷川 勝一(Shoichi HASEGAWA)
学生の頃は主にガンマ線を用いた核子共鳴領域の実験を行い、光子−核子のヘリシティ依存断面積測定実験で学位を取得しました。
その後LEPSに参加しつつ、J-PARC物質・生命科学実験施設の建設に携わり、少々のブランクを経て現在のグループに所属しています。
現在は、検出器開発を基にハイパー核物理研究、スピン核子構造研究に係りながら、新たなニュートリノ実験実現に向けたR&Dを行っています。
E-mail:shoichi.hasegawa[atmark]j-parc.jp
研究主幹 / 谷田 聖(Kiyoshi TANIDA)
2015年3月までソウル大学にいましたが、双子が生まれたのを機に
日本に帰ってきました。 ハドロン・原子核の物理に幅広く興味を
持っています。最近は主にバリオン分光をJ-PARCやBelle (II)
で手がけていますが、他にも沢山の実験に参加しています。
やってみたいことはさらに沢山あるのですが、手を広げすぎて
首が回らなくなってきているので、最近は自重しています。
面白いけどまだ手つかずになっているテーマがいっぱいあるので、
興味をお持ちの方は声をかけてください。
E-mail:tanida[atmark]post.j-parc.jp
研究副主幹 / 佐藤 進(Susumu SATO)
原子核を加速器を用いて衝突させることで生成される、多様なハドロン物質の形態を研究しています。
原子核密度を超える高バリオン密度状態、初期宇宙に存在したであろう高温状態、
あるいは、多数のストレンジネス核を含む未知の状態、などを系統的に理解できる、
ハドロン物質の相図を描くことが大きな目標です。合わせて、ハドロンを支配する
量子色力学が作りだすダイナミックな質量機構についても理解を深めたいと考えています。
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の東海サイトに建設した、大強度陽子加速器施設(J-PARC)を用いて、
ストレンジネス量子数を持つ中間子や重粒子が寄与する"奇妙なハドロン状態"の探索をおこなったり、
米国立研究所に建設された相対論的重イオン加速器(RHIC)を用いて、重心系で数十GeV~数百GeVで
加速された原子核衝突で生成される"クオークとグルーオンのプラズマ状態"における粒子生成の特徴
について実験的に調べながら、理論的な基礎的理解をもすすめています。
また将来計画として、J-PARCにおいても高密度視点で核物質を探索するために、原子核加速を試みることについても、長年興味を持っています。
E-mail:susumu.sato[atmark]j-parc.jp
研究副主幹 / 橋本直 (Tadashi HASHIMOTO)
2017年4月に理化学研究所から異動してきました。
J-PARCハドロンホールのK1.8BRビームラインを主戦場にして反K中間子と核子、原子核との間の相互作用の研究をしています。
学生の頃はK中間子原子核の直接探索実験を主に行い学位を取得しましたが、現在はK中間子原子という電子をK中間子で置き換えた奇妙な原子のX線分光を精密に行うというアプローチを中心に研究を進めています。
特に超伝導遷移端型マイクロカロリメータ(TES)という半導体検出器よりも分解能が2桁ほど良い極低温X線検出器を導入することで分光精度を飛躍的に向上させることを目指しています。
E-mail:tadashi.hashimoto[atmark]riken.jp
クロスアポイントメント職員 / 成木 恵(Megumi NARUKI)
H29年度10月よりクロスアポイントメント職員となりました。
本務先は京都大学です。
ハドロン反応を用いたハドロン構造のためのハドロン物理実験が専門です。
特に、ハドロン質量の生成機構や、ハドロン分光を手がけています。
世界最高強度のJ-PARCハドロン施設を舞台に、研究者、学生のみなさんと
たくさんの成果を出していきたいと思っています。
E-mail:m.naruki[atmark]scphys.kyoto-u.ac.jp
研究員 / 市川 裕大 (Yudai ICHIKAWA)
K中間子原子核の実験的研究を行っています。
K中間子原子核とは原子核と反K中間子が強い相互作用により強く
結びつくことによって形成される全く新しい原子核です。
通常の原子核の場合は陽子と中性子のみで構成されるのに対し、
K中間子原子核の場合は反K中間子という中間子が構成要素に加わるため、
通常の原子核とは全く異なる特性が現れます。
例えば、K中間子と原子核の相互作用が強い引力のため、
通常の原子核の密度の数倍の高密度状態が形成される可能性があります。
私達実験グループはJ-PARCにおける研究(J-PARC E27実験)で、
最も単純なK中間子原子核K-ppと考えられる構造を検出しました。
今後の研究により、この構造のより詳細な調査を進めていく予定です。
E-mail:yudai[atmark]post.j-parc.jp
研究員 / 山本 剛史 (Takeshi YAMAMOTO)
2018年11月に高エネルギー加速器研究機構から異動してきました。
sクォークを含むラムダ粒子やグザイ粒子を原子や原子核に束縛させた系を研究対象としています。
このような原子や原子核の構造をエックス線・ガンマ線分光の手法を用いて調べ、
ラムダ粒子やグザイ粒子と核子の間に働く”拡張された核力”を解明することを目指しています。
エックス線分光実験(J-PARC E03,E07)やガンマ線分光実験(J-PARC E13,E63)では、
J-PARCで供給される大強度のK中間子ビーム等を利用した原子核反応で
ラムダ粒子やグザイ粒子を生成し、これと同時に高分解能なゲルマニウム検出器で
エックス線・ガンマ線を測定する手法を用いています。
今後もこの手法をより高度化して、核力の理解に繋がる実験を提案・推進していきます。
E-mail:tyamamo[atmark]post.j-parc.jp
研究員 / グブラー・フィリップ (Philipp GUBLER) [理論グループ兼任]
2017年12月から先端研で研究しています。もともとはスイス出身ですが、高校生のときから日本に住んだりしています。 強い相互作用の基本的な理論であるQCD(Quantum Chromo Dynamics)に基づく理論的な研究をしています。 特に、ハドロンの質量はいかにして生成されるのかについて興味を持って、研究しています。 また、ハドロンの性質は高温・高密度物質においてどのように変化するのかについても調べています。 最近は、ハドロンの性質の変化は実験でどのように測るかについてJ-PARCの実験家たちとよく議論していて、理論と実験を繋げるような研究をしようと思っています。 E-mail:gubler[atmark]post.j-parc.jp
博士研究員 / 藤田 真奈美 (Manami FUJITA)
2020年4月より博士研究員として加わりました。
ハドロンの相互作用や内部構造に興味を持っています。
主に、ストレンジクオークを含んだバリオンであるハイペロンを用いて核力の研究を推進してきました。
東北大博士課程在籍時は、原子の電子をグザイハイペロンで置き換えたグザイ原子からのX線を
ゲルマニウム検出器を用いて測定しました(J-PARC E07)。
引き続きグザイ原子を用いてグザイ-核子相互作用の研究を展開するとともに、
中性子星の内部のような高密度環境下でのバリオンの性質・相互作用の振る舞いなど
新たな領域に研究の対象を広げていきたいです。
E-mail:fujitam[atmark]post.j-parc.jp
リサーチアシスタント / 七村 拓野 (Takuya NANAMURA)
私は、J-PARC ハドロン実験施設 K1.8ビームラインにおけるΞハイパー核分光実験(E05→E70)に携わっています。
この実験によりΞハイパー核の構造を明らかにすることで、Ξ粒子と核子の相互作用に関する貴重な情報が得られることが期待されています。
これまでの主な仕事としては新しく開発した磁気スペクトロメータ、S-2S (Strangeness -2 Spectrometer)の磁場測定と性能の評価を行ってきました。
最近は多数のシンチレーティングファイバーで構成される標的を開発中です。これによりグザイハイパー核の生成数を稼ぐとともに、標的中でのエネルギー損失をイベントごとに補正して分解能を高く保つことができます。
せっかく現場(J-PARC)の近くにいることになるので、E70実験の準備の他にも現在行われている実験に積極的に参加していけたらと考えています。
特別研究生 / 中須賀 さとみ (Satomi NAKASUGA)
特別研究生 / 市川 真也 (Masaya ICHIKAWA)
特別研究生 / 百々 拓 (Taku DODO)
特別研究生 / 赤石 貴也 (Takaya AKAISHI)
特別研究生 / 江端 健悟 (Kengo EBATA)
学生実習生 / 梶川 俊介 (Shunsuke KAJIKAWA)
学生実習生 / 原田 健志 (Takeshi HARADA)
2021年度以前に在籍していたメンバー
岩崎 幸生(特別研究生) → 東工大へ
江川 弘行(研究開発アシスタント) → 理研へ
江添 貴之(特別研究生) → 大阪へ
関原隆泰(博士研究員) → 京都へ
岡 真(グループリーダー)→ 日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター長 へ
杉村 仁志(博士研究員)→ 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 へ
金原 慎二(特別研究生)→ 岐阜大学大学院 工学研究科 へ
中田祥之(特別研究生)→ 大阪大学大学院 理学研究科 へ
細見健二(博士研究員)→ 日本原子力研究開発機構 核燃料サイクル工学研究所 へ
吉田純也(博士研究員)→ 東北大学 理学研究科 へ
早川修平(博士研究員)→ 東北大学 理学研究科 へ
非常勤/嘱託
今井憲一(客員研究員)
永宮正治(客員研究員)
肥山詠美子(客員研究員)
保坂淳(客員研究員)
三明康郎(客員研究員)
田中万博(客員研究員)
初田哲男(研究嘱託)
成木恵(研究嘱託)
丸山智幸(研究嘱託)
巽敏隆(研究嘱託)
小沢恭一郎(研究嘱託)