スピン−エネルギー変換材料科学研究グループ

〒319-1195 茨城県那珂郡大字白方2番地4 日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター

研究内容

エネルギーの効率的利用は、今後より重要になる社会的課題である。本研究グループでは、新しいエネルギー変換技術への応用が期待される物質や物理現象について、J-PARCなど原子力機構が有する研究施設と密接に連携をとり、理論および実験の両面から研究を進める。なかでも、物質中の電子が持つ「スピン」を積極的に利用する新しい電子技術(スピントロニクス)を基軸に据える。磁気の源であるスピンの流れ(スピン流)は、大幅に消費電力を低減した不揮発性磁気メモリーやスピンを用いたエネルギー変換技術など、多様な応用が期待されている。その根源には、一方向に回転運動が制限されるというスピンに特有な性質があり、熱などの物質中のランダムな運動を一定方向に揃える機能(整流性)などが期待される。これを基礎として、スピンを用いた力学的・電磁気的・熱的エネルギーの流れの制御を目指す。更に、物質中のミクロなスピンを記述する量子力学を、物体の回転や振動などの力学的運動を扱えるように拡張することで、物性理論における新しいパラダイムを創成する。これらの研究により、新たなスピン変換の概念や、力学運動を組み込んだスピントロニクスデバイスの創出、従来のエレクトロニクスでは不可能と考えられていた機能性デバイスを実現する。以上のスピン変換科学は、新しい熱電発電の仕組みを可能にし、原子力エネルギーの効率を高め、外部電源喪失時における安全維持に貢献する。また、これらスピン物性を基礎としたデバイスは、放射線環境下にあっても機能する技術の礎になると期待される。


磁気の源であるスピンを利用したエネルギーの効率的利用