力学的物質・スピン制御研究グループ
〜電子スピンと力学的トルクとの相互作用による「スピンメカトロニクス」の土台確立〜
研究背景
次世代電子技術の有力候補として、スピントロニクスの研究が盛んに行われています。スピントロニクスとは、電子の持つ電荷とスピンの自由度の両者を積極的に利用することで新しい機能性電子物性を創出するものであり、その中核概念が電子スヒン角運動量の流れ「スピン流」の生成および制御です。これにより、省電力での情報伝送や蓄積が可能になります。
研究目的・内容
1)従来はこのスピン流の制御に、磁気的角運動量および電磁場の角運動量との相互変換を用いてきました。本グループでは新たな相互変換角運動量として力学的角運動量をスピントロニクスに取り込みます。これにより、電子スピンと力学的トルクを相互作用させる「スピンメカトロニクス」の開拓を行います(図1参照)。理論グループが予測した現象について、実験環境の構築が可能なものから順次その実証をめざします。
2)核磁気共鳴(NMR)法は、スピントロニクス現象の基礎となるエネルギースピンダイナミクスの測定および制御の有効な候補です。スピントロニクス技術と高度な核磁気共鳴技術を組み合わせることで、NMRに基づくスピントロニクスを構築することができます。本研究グループでは、ナノ磁気構造ダイナミクスのNMR検出やNMRによるスピンポンピングをめざします(図2参照)。
将来展望
「スピンメカトロニクス」や「NMRスピンポンピング」の確立により、ナノスケールで駆動するスピンモーターや、スピン流を力学的に生成させるスピン流発生器、スピン流ポンプの実現が可能となり、スピントロニクス技術を従来電子技術に取って代わる技術に発展させることができるようになります。
図1 スピンメカトロニクス概念
図2 NMRスピンポンピングの概念図
メンバー
グループリーダー(客員研究員)
東北大学 金属材料研究所 教授
齊藤 英治
(研究総括、スピントロニクス)
サブリーダー
原子力機構 先端基礎研究センター
研究副主幹 岡安 悟
(スピンメカトロニクス、超伝導物性)
E-mail: okayasu.satoru@@@jaea.go.jp
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論文等リスト
原子力機構 先端基礎研究センター
研究員 小野 正雄
(スピンメカトロニクス、超重力場物質研究)
E-mail: ono.masao@@@jaea.go.jp
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原子力機構 先端基礎研究センター
任期付研究員 春木 理恵
(NMRスピンポンピング、放射光物理)
E-mail: haruki.rie@@@jaea.go.jp
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論文等リスト
原子力機構 先端基礎研究センター
博士研究員
中堂 博之(NMRスピンポンピング、NMR)
E-mail: chudo.hiroyuki@@@jaea.go.jp
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論文等リスト
原子力機構 先端基礎研究センター
研究嘱託 北條 喜一
(材料評価解析学)
E-mail: hojo.kiichi@@@jaea.go.jp
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原子力機構 先端基礎研究センター
客員研究員 安岡 弘志
(アクチノイド物質開発研究グループ客員研究員)
(NMR)
原子力機構 先端基礎研究センター
グループ事務連絡担当 中原旬子
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2011.03.29
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力学的物質・スピン制御研究グループ
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