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News-Archive ( before 2025. 2 ) こちら

NEWS ( ~ 2026. 4 )

2026/4/1
[人事] 今津 毅士さんが博士研究員としてメンバーに加わりました。

2026/4/1
[人事] 兵庫県立大学D3の春名 信吾さんがJAEA特別研究生としてメンバーに加わりました。4ヶ月間グループに滞在し、強相関電子系の理論研究を行います。

2026/4/1
[人事] 東北大学D2の横山 旭さんがJAEA特別研究生としてメンバーに加わりました。1年間グループに滞在し、強相関電子系の実験研究を行います。

2026/4/1
[人事] 東北大学M2の橋本 尚汰さんがJAEA特別研究生としてメンバーに加わりました。1年間グループに滞在し、強相関電子系の実験研究を行います。

2026/3/31
[プレス]「スメクチック磁束液晶におけるマグナス力支配型の渦ダイナミクスを実証~超伝導を“トポロジカル流体”として捉える新視点~」というタイトルでプレス発表を行いました。本研究では、磁束が液晶のように層状に並ぶスメクチック磁束液晶状態において、磁束の再結合によって生成されるトポロジカル欠陥「スメクチック・ディスロケーション渦」がラメラ層構造に沿って運動することを見いだしました。この欠陥渦は一次元的なラメラ層に拘束されるため、渦に働くマグナス力の効果が顕著となり、従来のローレンツ力だけでは説明できない特異なホール応答として観測されました。本成果は、超伝導体をトポロジカル欠陥が支配する流体として理解する新しい物理像を提示するとともに、渦ダイナミクスの制御に基づく新しい量子輸送現象の開拓につながることが期待されます。本研究の成果は、米国の物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載されました。

2026/3/24
[プレス]「超伝導の常識を覆す発見―スピン三重項超伝導体だけがもつ特別な性質―」というタイトルでプレス発表を行いました。本研究では、ウラン系超伝導体UTe2に強磁場を印加し、NMR測定によって超伝導状態における電子スピンの振る舞いを調べました。その結果、磁場の増加に伴いスピンが磁場方向へ徐々に回転し、最終的に完全に揃うことで、超伝導状態が強化されるという特異な現象を見いだしました。通常の超伝導では、磁場によってスピンの向きが揃うと超伝導は破壊されるため、本成果はスピン三重項超伝導体に特有の性質を示すものです。今後は、スピンの制御による新たな超伝導機能の創出や、量子コンピューター材料への応用が期待されます。本研究の成果は、米国の物理学会誌「Physical Review B」に掲載され、Editors’ Suggestionにも選出されました。

2026/2/17
[プレス]「電子の動きで物質に「利き手」を生み出す ― 左右の高速制御で創薬・光学技術へ ―」というタイトルでプレス発表を行いました。右手と左手のように、鏡映しの関係にあって、回転では重ね合わせられない性質は「カイラリティ」と呼ばれます。従来、物質のカイラリティは原子の並び方そのものが右手型・左手型に分かれることで生じると考えられてきました。今回の研究では、原子配列は左右対称のままでも、物質中の電子の運動の偏りだけが左右の違いを持つ新しい状態が可能であることを理論的に示しました。電子は原子よりも軽いため、従来のカイラル結晶では困難である左右の切り替えが高速に行える可能性があり、省エネ光学デバイスや分子の識別・合成技術への応用が期待されます。本研究の成果は、米国の物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載され、Editors’ Suggestionにも選出されました。

2026/2/3
[招待講演] オンラインで行われた国際会議 eQMA Workshop -- Frontiers of Unconventional Superconductivity において、酒井 宏典 マネージャーが「NMR as a Probe of Spin Fluctuations in Correlated Electron Systems -What we learned from the 115 family and beyond」というタイトルで招待講演を行いました。

2026/1/16
[プレス]「物質中の「磁石」をジグザグに整列させて電気の流れをコントロール ― 新しい電流制御で超小型・省エネ・高機能デバイスへの道を拓く ―」というタイトルでプレス発表を行いました。本研究ではミクロな磁石(電子のスピン)がジグザグに並んだ金属で、電気の流れやすい方向に偏りが生じ、ダイオードのような「電気の一方通行的な性質」を出現させることに成功しました。これは、従来の半導体接合を用いたダイオードとは異なる整流の原理です。これまで単一金属で同じ効果を発現させるには、外から磁場をかける必要がありました。今回、電子のスピンの並びが内部に創りだすミクロな磁場の働きによって、外部磁場なしに自然に生じることを初めて明らかにしました。本研究の成果は、米国の物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載され、Editors’ Suggestionにも選出されました。

2026/1/7
[プレス]「反強磁性体で電流による電子の液晶化を実証― エレクトロニクス応用可能な電気抵抗変化として世界初観測 ―」というタイトルでプレス発表を行いました。本研究では時間・空間反転対称性の両方が破れた反強磁性体SrMnBi2において、均一な電子の動きやすさ(電子状態)が電流により液晶のように特定の方向へ偏って歪むという新現象を、電気抵抗のダイオード的な成分として初めて検出することに成功しました。さらに、反強磁性パターンを電流と磁場で制御することでダイオード特性の極性反転にも成功しました。このスイッチング可能な現象は、革新的なメモリや整流素子としてエレクトロニクス応用が期待されます。本研究の成果は、Nature Communications に掲載されました。

2025/10/16
[招待講演] クロアチア・フヴァルで行われた国際会議 International Conference on Strongly Correlated Quantum Materials (ICSCQM) Hvar2025において、木俣 基 研究副主幹が「Non-reciprocal transport in strongly correlated antiferromagnet」というタイトルで招待講演を行いました。

2025/9/24
[プレス]「磁場を味方にするウラン超伝導の機構を解明自らを柔軟に変化させ、耐えられる磁場の限界を2倍に」というタイトルでプレス発表を行いました。超伝導は電気抵抗がゼロになる際立った現象ですが、磁場に弱いことが長年の課題でした。我々は磁場に強いとされる「スピン三重項超伝導体」UTe2において、その超伝導状態が磁場の中で自らスピン状態を柔軟に変え、より強い磁場に適応することを発見しました。 本研究成果は、米国物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載されました。

2025/9/1-9/12
[アウトリーチ] 令和7年度夏期休暇実習生の受け入れ
本年度は「強相関電子系化合物の磁性と超伝導の研究」と「トポロジカル半金属の端状態」という2つのテーマで実習を行いました。全国6大学から計15名の学生の皆さんに参加いただきました。

2025/9/1
[人事] 東北大学D1横山 旭さんがJAEA学生実習生としてメンバーに加わりました。331日までグループに滞在し、FIB加工による強相関電子系の実験研究を行います。

2024/8/30
[アウトリーチ] 「JAEA/ASRC × 水城高校」 第3回サイエンス講義
徳永グループリーダが、茨城県水戸市の水城高校で行われた第3回サイエンス講義において、「超伝導の不思議 -電子の世界を解き明かす-」とタイトルで講演を行いました。

2025/8/5
[プレス]「カゴメ金属の特異なホール効果の起源を解明 ―移動度スペクトル解析で捉えた高移動度キャリアの役割―」というタイトルでプレス発表を行いました。本研究では量子物質として注目されるカゴメ格子金属「CsV3Sb5」で見られる特異なホール効果の起源を解明しました。従来は異常ホール効果とされていたこの現象が、実は「高い移動度をもつ少数のキャリア」によって生じていることを、独自の移動度スペクトル解析と大規模フィッティング計算により明らかにしました。この手法は、複雑な電子構造を持つ物質の解析にも応用可能であり、今後の物性物理学・材料科学に革新をもたらすことが期待されます。本研究の成果は、米国の物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載され、Editors’ Suggestionにも選出されました。

2025/8/1
[人事] 富山大学D3の太田 玖吾さんがJAEA特別研究生としてメンバーに加わりました。3月31日までグループに滞在し、強相関電子系の実験研究を行います。

2025/7/30
[セミナー] 899回基礎科学セミナー
大阪大学大学院基礎工学研究科の水島 健 准教授に来所いただき、「トポロジカル超伝導としてのUTe2」というタイトルで、第899回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2025/7/19
[招待講演] 中国・北京で行われた国際会議SECUF-2025において、徳永 陽 グループリーダーが「High-field NMR study of field-reinforced superconductivity in spin-triplet superconductors」というタイトルで招待講演を行いました。

2025/6/11 – 12
[招待講演] 京都で行われたKyoto International Workshop on Exotic Superconductorsにおいて、木俣 基 研究副主幹が「In-plane warping anisotropy of quasi-two-dimensional Fermi surface in UTe2」というタイトルで招待講演を行いました。

2025/6/1

[人事] 新潟大学M2の荒木 龍平さんがJAEA特別研究生としてメンバーに加わりました。3月31日までグループに滞在し、強相関電子系の実験研究を行います。

2025/5/19 – 22
[招待講演] 米国・アイダホフォールズで行われたThe 11th International Workshop on the Dual Nature of f-electronsにおいて、酒井 宏典 マネージャーが「Incommensurate antiferromagnetism in uranium-based van der Waals magnet α-UTe3」、芳賀 芳範 研究主幹が「Actinide-based Tsai-type quasicrystal approximant in Al-Au-U system」、神戸 振作 研究員が「NMR/NQR study of hidden ordering under uniaxial stress in URu2Si2」というタイトルで招待講演を行いました。

2025/4/28
[招待講演] トルコ・フェトヒエで行われた第10回磁性と超伝導に関する国際会議(ICSM2025)において、酒井 宏典 マネージャーが「Magnetism in uranium-based van der Waals compound α-UTe3」というタイトルで招待講演を行いました。

2025/4/18
[セミナー] 890回基礎科学セミナー
名古屋大学 大学院工学研究科の田仲 由喜夫教授に来所いただき、「非従来型超伝導体のエッジ状態の解明からトポロジカル超伝導の理論へ」というタイトルで、第890回基礎科学セミナーを行っていただきました。

2025/4/1
[外部資金] 2025年科研費補助金 基盤研究(A) に採択されました。
2025
年度科学研究費助成事業 基盤研究(A)重い電子系超伝導ナノ構造で拓くスピン三重項クーパー対の量子物性科学」(代表:木俣 基 研究副主幹)が新規研究課題として採択されました。

2025/4/1
[人事] 弘前大学D3の今津 毅士さんがJAEA特別研究生としてメンバーに加わりました。1年間グループに滞在し、強相関電子系の理論研究を行います。



Introduction

2022年度から、新しい研究グループが立ち上がりました。私たちの主要なテーマは、ウラン化合物を中心に、強く絡み合う多数の電子(強相関電子)によって創発される新奇な磁性や超伝導を探索し、そのメカニズムを解明することです。そこで得られる新しい知見は、広く物質科学の発展に寄与するとともに、全てのアクチノイド科学に貢献します。

Outlook

アクチノイド化合物では、1980年代の重い電子系超伝導や「隠れた秩序」の発見を皮切りに、強磁性と超伝導がミクロに共存する強磁性超伝導、スピン三重項トポロジカル超伝導など多彩な物理現象が数多く発見されています。これらに共通するのは、いずれも他の化合物群では見られない、独自の新しい物性を示すことです。例えば URu2Si2 という化合物の「隠れた秩序」は、発見から30 年以上経っても未だにその類型すら見つかっていません。また現時点でスピン三重項トポロジカル超伝導体の有力な候補物質は、ほぼ全てアクチノイド化合物です。また2019年に発見された新しい超伝導体UTe2は、次世代量子コンピュータへの応用が期待され、その超伝導機構の解明のため、国際的に熾烈な研究競争が繰り広げられています。アクチノイドは原子力のみならず、物質科学の領域においても非常に魅力的かつユニークな元素なのです。
我々は高度な単結晶育成技術とNMRや中性子散乱など先端物性プローブを組み合わせ、強相関アクチノイド化合物の新奇な電子物性の研究を進めます。またアクチノイド科学領域をさらに拓くために、(i) アクチノイドを含む薄膜 や (ii) アクチノイドのイオン性化合物など、新しい挑戦も試みます。これらを通じて、物質の新しい電子状態や概念も探索してゆきます。

Methods

アクチノイド化合物は取り扱いが難しく、本格的な物性研究を行える場所は、世界的にも限られています。私たちの強みは、放射性物質を扱える原子力機構の施設を用いて、高純度のアクチノイド元素を含む単結晶試料を育成できることです。本質的な物性を明らかにしてゆく上で、試料の純良性は非常に重要です。また、これら純良単結晶を、核磁気共鳴(NMR)や、ミュオンスピン回転・緩和(μSR)、中性子散乱、熱・電気・磁気輸送測定などの先端実験手法を用いて、極低温、高圧、強磁場などの極限環境下における物性研究を行います。物性理論の助けも借りて、新奇な電子状態の観測につなげてゆきます。


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