研究成果

プレス発表

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2016年度

2016年9月28日
新たなスピン流の担い手を発見
~量子効果を用いた熱電発電、情報伝送へ道~
前川 禎通 他

スピン流とは、物質中の磁気の流れです。スピン流の利用により、電流では不可能であった低消費電力による情報伝導、情報処理、エネルギー変換が可能になるため、次世代のエレクトロニクスの候補「スピントロニクス」の重要な要素と期待されています。本研究は、「量子スピン系」と呼ばれる物質群において、従来とは全く異なるタイプのスピン流が存在することを明らかにしました。

詳細情報はこちら
https://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16092801/

2016年9月28日
世界で初めての透明強磁性体の開発に成功
― 新しい磁気光学効果の発見 ―
前川 禎通 他

透明磁石の開発は、磁性材料研究において重要なテーマの一つです。室温で透明磁石が実現すれば、磁気・電子および光学デバイスのみならず、様々な産業分野に多くの革新的な技術発展をもたらすことが期待できます。ナノメートル(1/1000000ミリメートル)の微細複合構造を持つナノグラニュラー磁性体の研究開発を進め、可視光領域において高い光透過性を持ち、かつ強磁性併せ持つ薄膜材料の開発に成功しました。

詳細情報はこちら
https://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16092802/

2016年9月13日
新材料ゲルマネンの原子配置に対称性の破れ
― 省エネ・高速・小型電子デバイス実現に向けた素子開発へ道 ―
深谷 有喜 他(ナノスケール構造機能材料科学研究グループ)

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、グラフェンのゲルマニウム版である”ゲルマネン”の原子配置の解明に成功しました。その結果、これまでの予想に反し、ゲルマネンの原子配置の対称性が破れていることが明らかになりました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16091301/

2016年8月26日
重イオン反応による新たな核分裂核データ取得方法を確立
― 核分裂現象の解明にも道 ―
西尾 勝久 他(重元素核科学研究グループ)

核分裂片の質量数収率分布を、重イオンどうしの衝突で生じる多核子移行反応によって取得する新たな方法の開発に成功しました。これにより、中性子過剰核など未測定核種を含む14核種以上のデータを1度に取得できることが可能となりました。また、動力学モデルが核分裂機構を説明できることを示しました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16082602/

2016年5月10日
森林から生活圏への放射性セシウムの移行を抑制する新技術
高分子化合物と粘土を利用、自然の力を使って穏やかに里山を再生
福島県飯舘村などで実証実験を展開 生活圏の再汚染の防止へ期待
長縄 弘親 他(界面反応場化学研究グループ)

森林生態系を破壊せず、降雨などの自然の力を利用して穏やかに里山を再生するための、放射性セシウムの移行抑制の新技術を開発しました。セシウムを吸着するベントナイトを森林傾斜地における腐葉土に散布して、セシウムの植物への吸収を防ぐとともに、ポリイオンコンプレックス(反対電荷を持った高分子が静電力によって自己集合したもの)を用いて、雨水の流れで移行するベントナイトを捕捉します。

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https://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16051001/

2015年度

2016年3月14日
ニュートリノ質量決定に不可欠なデータをスーパーコンピュータ「京」で計算
宇都野 穣 他(重元素核科学研究グループ)

東京大学、日本原子力研究開発機構などの研究グループは、スーパーコンピュータ「京」を用いた大規模原子核構造計算によって、カルシウム48のゼロニュートリノ二重ベータ崩壊の核行列要素に対する最も信頼度の高い値を得ることに成功しました。ゼロニュートリノ二重ベータ崩壊の半減期が測定されると、この計算からニュートリノの質量に対して極めて大きな制約を与えることが可能となります。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p16031701/

2016年3月7日
全反射高速陽電子回折法によりグラフェンと金属との界面構造の
解明に成功 ― グラフェンを用いた新規材料開発に道 ―
深谷 有喜 他(ナノスケール構造機能材料科学研究グループ)

日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)との共同研究チームは、共同開発した全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いてグラフェンと金属基板間の境界面の構造(界面構造)を詳細に調べ、金属の元素によるグラフェンとの結合の違いを実験的に明らかにしました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p16030701/

2016年2月24日
30年来不明であった光触媒TiO2表面の原子配置を決定
~世界最高強度の高輝度陽電子ビームによって表面構造を明らかに~
深谷 有喜 他(ナノスケール構造機能材料科学研究グループ)

高エネルギー加速器研究機構(KEK)、北海道大学、日本原子力研究開発機構(JAEA)の共同研究チームは、表面敏感な全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて光触媒として知られている二酸化チタンの表面構造を決定し、最表面に位置する酸素の原子配置が非対称化することを明らかにしました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p16022401/

2015年12月2日
Nature PhysicsとNature Materials の 2誌に解説論文が掲載されました
スピン-エネルギー変換材料科学研究グループ

11/3にプレスリリースした研究成果「液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明~電子の自転運動を利用した新しい発電へ~」がNature PhysicsとNature MaterialsのNews&Viewsで取り上げられました。

Nature Materials
http://www.nature.com/nmat/journal/v14/n12/full/nmat4499.html/

Nature Physics
http://www.nature.com/nphys/journal/vaop/ncurrent/full/nphys3572.html

2015年11月25日
J-PARCハドロン実験施設で“奇妙な粒子”が原子核の荷電対称性を破る現象を発見
佐甲 博之 他'(ハドロン原子核物理研究グループ)

東北大学・高エネルギー加速器研究機構(KEK)・日本原子力研究開発機構(JAEA)を中心とする国際グループは、大強度陽子加速器施設J-PARCのハドロン実験施設で行った実験で、原子核のもつ基本的な対称性である「荷電対称性」が、原子核に「奇妙な粒子」と呼ばれるラムダ粒子を加えることで大きく崩れることを発見しました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15112501/

2015年11月6日
スピン流を用いて磁気の揺らぎを高感度に検出することに成功
―スピン流を用いた高感度磁気センサへ道―
前川 禎通(センター長) 他

磁気の向きが乱雑なまま固化した状態であるスピングラスに、電荷の流れを伴わないスピンのみの流れ(スピン流)を注入することで、現在最高感度の観測装置である超伝導量子干渉計(SQUID)でも観測することのできなかった磁気の揺らぎを高感度に検出することに成功しました。この技術を応用することで、高感度磁気センサへの道が開けると期待されます。


  • 前川 禎通
    (センター長)

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15110601/

2015年11月3日
液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明
~電子の自転運動を利用した新しい発電へ~
松尾 衛 他(スピン-エネルギー変換材料科学研究グループ)

水銀などの液体金属の中で発生する渦運動が、その金属原子中の電子をプロペラのように回転させることで発電する仕組みを世界で初めて発見しました。この発電方法はタービンのような構造物を一切必要としないので、将来は、わずかな電気で動作するナノサイズの超小型ロボットの電源技術への応用などが期待されます。

詳細情報はこちら
https://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15110301/

2015年9月28日
イオン照射による新奇複合ナノチューブの新たな創製方法の開発に成功(お知らせ)
-小型化・省電力化された電子・発光デバイスへの道を拓く-
朝岡 秀人 他(研究推進室)

イオン照射により、結晶状態や構造をコントロールした新奇複合ナノチューブの創製方法の開発に成功しました。本手法は、様々な新奇複合セラミックナノ材料の創製を可能とし、それらを用いた小型化・省電力化された電子・発光デバイスの開発が、今後期待されます。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15092801/

2015年5月18日
超伝導体中の準粒子スピン流による巨大スピンホール効果の観測に成功
― 次世代超伝導スピントロニクス素子実現に道筋―
前川 禎通 他(スピンーエネルギー変換材料科学研究Gr)

・超伝導体中でのスピンホール効果の観測に初めて成功した。 ・超伝導状態では常伝導状態に比べスピンホール効果が2000倍以上増大することを発見した。 ・微小なスピン流から大きな信号を取り出せることから、スピン検出素子や次世代スピントロニクス素子の実現への貢献が期待される。


  • 前川 禎通
    (センター長)

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15051901/

2015年5月15日
強い磁場でよみがえる超伝導のしくみを解明
― 磁場で制御するウラン化合物の新しい機能性の解明と材料開発の推進―
徳永 陽(重元素材料物性研究Gr.)

ウラン化合物URhGeでは、磁場でいちど壊された超伝導が、さらに強い磁場をかけると再び出現するという、これまでにない現象が見つかっていました。今回、核磁気共鳴実験からこの新しい超伝導のメカニズムを初めて明らかにしました。


  • 徳永 陽

詳細情報はこちら
https://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15051501/

2015年4月9日
103番元素が解く、周期表のパズル
-ローレンシウム(Lr)のイオン化エネルギー測定に成功-
佐藤 哲也 他(重元素核科学研究グループ)

103番元素ローレンシウム(Lr)のイオン化エネルギー測定に成功しました。ローレンシウムを含む超重元素のイオン化エネルギーは生成量の少なさと寿命の短さから今まで測定されたことがありませんでしたが、新たな測定方法を開発し実現しました。測定したイオン化エネルギーは他のアクチノイドと比べて極端に低いこと、この値を理論計算で再現すると、最外殻電子が相対論効果の影響を受けて周期表から期待される軌道と異なることを高い精度で明らかにしました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2015/p15040901/

2014年度

2015年3月12日
最新の原子核崩壊データを手の中に
−原子核崩壊データを網羅した原子核の世界地図「原子力機構核図表2014」の完成−
小浦 寛之 他(重原子核反応フロンティア研究グループ)

最新データを用いて「原子力機構核図表」を大きく改訂しました。3,150核種の原子核崩壊データを掲載し、原子核の理論予測の成果を用いて未発見原子核の性質を収録しています。

−原子核崩壊データを網羅した原子核の世界地図「原子力機構核図表2014」の完成−

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15031202/

2015年1月8日
絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見
~新原理・新機能のエネルギー変換技術開発に道~
前川 禎通(センター長)、安立 裕人(量子物性理論研究グループ)

特定の金属微粒子への光照射で誘起される「表面プラズモン」と呼ばれる電子の集団運動を磁石の中で励起することで、光のエネルギーをスピン流に変換することに世界で初めて成功しました。


  • 前川 禎通
    (センター長)

  • 安立 裕人

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15010803/

2014年12月19日
金属中の磁気・電気の流れを切り替える
- 原子力分野での熱電発電利用に向けて -
前川 禎通(センター長)、森 道康、Gu Bo、Xu Zhuo(量子物性理論研究グループ)

極僅かにイリジウムを添加した銅において、磁気の流れを電気の流れ(もしくはその逆)に変換する物理現象(スピンホール効果)で生じる電圧の符号が、電子同士の互いに反発しあう力によって反転することを理論的に示しました。


  • 前川 禎通
    (センター長)

  • 森 道康

  • Gu Bo

  • Xu Zhuo

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14121901/

2014年12月12日
熱の流れが磁場で変わる仕組みを解明
- 磁場を用いた熱流制御の可能性 -
前川禎通(センター長)、森 道康

フォノンホール効果について、なぜ熱流が磁場によって向きを変えるのかは謎でしたが、今回、当研究グループは、この現象の起源が、非磁性絶縁体に極僅かに含まれた磁気を持ったイオン(磁性イオン)によるものであることを、理論計算によって明らかにしました。


  • 前川 禎通
    (センター長)

  • 森 道康

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14121201/

2014年12月2日
超伝導ゆらぎによる巨大熱磁気効果の発見
芳賀芳範 他(アクチノイド物質開発研究グループ )

ウラン化合物超伝導体URu2Si2の超純良試料を用い、超伝導ゆらぎに起因した「熱磁気効果」を精密に測定した結果、従来の理論値に比べ100万倍にも達する巨大な熱磁気効果を観測しました。


  • 芳賀芳範

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14120201/

2014年11月14日
下水汚泥焼却灰中における放射性セシウムを90%以上回収することに成功
-放射性物質を含む汚泥焼却灰の処理に道筋- (お知らせ)
香西 直文、坂本 文徳、大貫 敏彦(バイオアクチノイド化学研究グループ )

東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故によって生成された、放射性セシウムを含む下水汚泥焼却灰の化学状態を分析し、灰を数百ナノメートルサイズの粒子まで粉砕して処理することで、90%以上の放射性セシウムを回収することに成功しました。


  • 香西 直文

  • 大貫 敏彦

  • 坂本 文徳

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14111401/

2014年9月22日
まだら模様に凍る電子
─磁場で変化する重元素化合物による
新しい原子力材料開発の推進─
神戸 振作(重元素系固体物理研究Gr)

重元素イッテルビウム(Yb)化合物において、低温の環境下では異なった状態の電子が共存し、磁場によって電子状態が変化する現象を発見しました。


  • 神戸 振作

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14092201/

2014年9月19日
106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に成功
-Sgが周期表第6族元素に特徴的な化学的性質を
持つことを実証-
浅井 雅人、佐藤 哲也、豊嶋 厚史、金谷 佑亮、塚田 和明、永目 諭一郎、M. Schaedel(超重元素研究Gr)

106番元素「シーボーギウム(Sg)」の有機金属錯体の化学合成に成功しました。また、その揮発性に関する化学データから、Sgが周期表の第6族元素に特徴的な化学的性質を持つことを実証しました。


  • 浅井 雅人

  • 佐藤 哲也

  • 豊嶋 厚史

  • 金谷 佑亮

  • 塚田 和明

  • 永目 諭一郎

  • M. Schaedel

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14091901/

2014年8月8日
DNA損傷プロセスにおける水と放射線の相乗効果を観測する技術開発に成功
横谷 明徳(放射場生体分子科学研究Gr)

大型放射光施設(SPring-8)のX線を用いた研究において、生体内のDNAに対して水と放射線が相乗的に働いてDNA損傷の度合いを左右するような新しいプロセスを観測するための技術開発に成功しました。 この技術は放射線、特に癌の治療や植物の品種改良で使われているイオンビームなどが、生体中のDNA分子をどのように変化させていくかの機構解明につながり、放射線 の医療や産業への応用に大きく貢献することが期待されます。 本研究成果は、米国物理学協会『Journal of Chemical Physics』電子版に掲載されました。


  • 横谷 明徳
    グループリーダー

  • 藤井 健太郎

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14080701/

2014年7月22日
大きな誘電率と磁気-誘電効果を示すナノグラニュラー材料の開発に成功
― 新しい多機能性(マルチ・ファンクショナル)材料の発明 ―
前川 禎通(センター長)

全く新しい発想による多機能性材料の開発に成功しました。開発した材料は、ナノグ ラニュラー材料と呼ばれるナノ磁性粒子を誘電相中に分散させた金属と絶縁体の2相 からなる薄膜誘電体材料であり、室温で大きな誘電率と磁気-誘電効果を示すことを 見いだしました。 本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」に掲載されました。


  • 前川 禎通
    (センター長)

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14072201/

2014年6月27日
ウラン系強磁性超伝導体における新しいタイプの磁性現象の発見
─磁性が共存する超伝導メカニズムの解明へ─
立岩 尚之(アクチノイド物質開発研究Gr)

磁性と超伝導が共存する唯一の超伝導体として知られているウラン系強磁性超伝導体において、既存の磁性理論では説明できない全く新しいタイプの磁性現象を発見しました。原子力基礎研究を通して、固体物理学における相転移の研究に新たな展開を提供するとともに、超伝導を含めた新しい機能をもったウラン化合物を作るための原理の解明につながると期待されます。 本研究成果は、米国物理学会誌「Physical Review B」オンライン版にEditors' Suggestion(注目論文)として掲載されています。


  • 立岩 尚之研究主幹

  • 芳賀 芳範
    サブリーダー

  • 山本 悦嗣
    研究副主幹

  • Zachary Fisk
    グループリーダー

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14062701/

2014年6月19日
― 直接観測された物質物理学の謎「隠れた秩序」―
芳賀 芳範(アクチノイド物質開発研究Gr)

ウラン化合物URu2Si2の「隠れた秩序」の結晶構造が、わずかに菱形状にひずんでい ることを、SPring-8における放射光を用いた超高分解能結晶構造解析により直接的な 方法で観測して示しました。英国科学誌「Nature Communications」に2014年6月19日付け でオンライン掲載。


  • 芳賀 芳範

  • 山本 悦嗣

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14061901/

2014年6月12日
強磁場で引き出されたウラン化合物の特異な磁性─世界最高磁場で核磁気共鳴法を応用─
酒井宏典(重元素系固体物理研究Gr.)

ウラン化合物(URu2Si2)に対して、世界最高磁場を用いて状態を変化させて出現した磁気状態を、核磁気共鳴(NMR)法により調べた結果、特異な構造を決定しました。新しい機能をもったウラン化合物を作るための原理を解明し、将来の原子力科学の発展に寄与します。米国物理学会誌 「Physical Review Letters (フィジカル レビューレターズ)」の オンライン版に6月11日に掲載。 


  • 酒井 宏典

  • 神戸 振作
    グループリーダー

  • 徳永 陽

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14061101/

2014年5月26日
人類が手にする物質を透視する新しい“眼” ~素粒子ミュオンを使った非破壊軽元素分析に成功~
髭本 亘(重元素系固体物理研究Gr.)

J-PARCのミュオン装置群施設MUSE (MUon Science Establishment)の世界最高強度の パルスミュオンビームを用いて、数mm厚の隕石模擬物質から軽元素(C, B, N, O)の非 破壊深度分析、有機物を含む炭素質コンドライト隕石の深度70μm、および深度1 mm における非破壊元素分析という新しい非破壊元素分析に成功しました。この成果は、 5月27日英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」 に掲載。


  • 髭本 亘

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14052701/

2014年5月21日
回転運動によって操作された原子核スピンの直接測定に成功
前川 禎通(センター長)、中堂 博之(力学的物質・スピン制御研究Gr)、
松尾 衛(量子物性理論研究Gr)

核磁気共鳴法を独自に発展させ、1秒間に万回転する物質中の原子核スピンを分析する手法を開発しました。これにより、高速回転運動が素粒子のスピンへ与える効果を直接測定することに成功しました。今後、物体の回転運動を用いてスピンを制御するナノメカニクス研究の加速が期待されます。日本応用物理学会誌「Physics Express(アプライドフィジクス*エクスプレス)」のオンライン版に 2014年>5月21日に掲載。


  • 前川 禎通

  • 中堂 博之

  • 松尾 衛

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14052101/

2014年4月21日
全反射高速陽電子回折法「TRHEPD法」の高度化により究極の表面構造解析が可能に
河裾 厚男、深谷 有喜(スピン偏極陽電子ビーム研究)

高エネルギー加速器研究機構(以下「KEK」)物質構造科学研究所の兵頭俊夫特定教授、名古屋大学の一宮彪彦名誉教授らのグループの共同研究および共同利用研究により、KEKの高強度低速陽電子ビームを高輝度化して、TRHEPD(Total Reflection High-Energy Positron Diffraction, 全反射高速陽電子回折)法の高度化を実現しました。この手法をシリコン結晶の(111)表面に適用して、その表面超高感度性を実証しました。応用物理学会がInstitute of Physicsを通じて出版する「Applied Physics Express」に2014年4月9日に掲載。


  • 河裾 厚男

  • 深谷 有喜

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042101/

2014年4月18日
DNA損傷が正常な染色体にも影響を与えることを発見
-放射線の生体影響の解明に向けて-
漆原あゆみ先端基礎研究センター 放射場生体分子科学研究グループ
(現 大阪府立大学大学院理学系研究科・客員研究員)
横谷明徳(放射場生体分子科学研究Gr)

大阪府立大学(理事長・学長 奥野武俊)の児玉靖司教授と共同で、DNAが損傷を受けることで、細胞中の被ばくしていない正常な染色体にも異常が生じることを発見しました。本研究成果はDNA損傷による染色体異常の誘発メカニズムの解明が期待でき、また放射線による細胞のがん化のメカニズムの解明や低線量被ばくの人体への影響評価に大きく貢献する可能性があります。『Mutation Research』誌の電子版に掲載。 


  • 漆原 あゆみ

  • 横谷 明徳

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14041801/

2013年度

2014年2月17日
ナノスケールの極薄磁石の向きを垂直にそろえる新機構を発見 -強力な極薄磁石による超高密度不揮発性磁気メモリ開発に道筋-
家田 淳一(量子物性理論研究Gr) 前川禎通(先端基礎研究センター)

家田淳一副主任研究員、前川禎通センター長は、 客員研究員の米国マイアミ大S・バーンズ教授とともに、厚さわずか数原子層からなる極薄磁石の磁気の向きを、 薄膜面に対して垂直に保持する新しいメカニズムを理論的に見出しました。 史上最強のネオジム磁石をも凌駕するナノスケールの極薄磁石開発や不揮発性磁気メモリの超高密度化に資するもの。 Scientific Reports誌に論文掲載。 


  • 家田 淳一

  • 前川 禎通(センター長)

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p14021701/

2013年11月21日
反射高速陽電子回折法によりシリセンの構造決定に成功 ~世界最高強度の陽電子ビームを用いてシリコン新素材の構造が明らかに~
河裾厚男/深谷有喜(スピン偏極陽電子ビーム研究Gr.)

日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」)先端基礎研究センターの河裾厚男研究主幹のグループと高エネルギー加速器研究機構(以下「KEK」)物質構造科学研究所の兵頭俊夫特定教授、 名古屋大学の一宮彪彦名誉教授らのグループの共同研究および共同利用研究(研究代表:原子力機構・深谷有喜研究副主幹)により、 KEKの高強度低速陽電子ビーム※2を高輝度化して、TRHEPD(Total Reflection High-Energy Positron Diffraction, 全反射高速陽電子回折)法の高度化を実現しました。 この手法をシリコン結晶の(111)表面に適用して、その表面超高感度性を実証しました。


  • 深谷 有喜

  • 前川 雅樹

  • 河裾 厚男

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2014/p14042101/

2013年7月22日
セラミックコンデンサ中の水素不純物が絶縁劣化を引き起こすメカニズムを解明
伊藤孝/髭本亘(重元素系固体物理研究Gr) 松田達磨(アクチノイド物質開発研究Gr)

水素に代わって検出が容易な正ミュオンをチタン酸バリウムの結晶に打ち込み、 これを模擬的な水素不純物とみなして局所的な電子状態を調べました。 実験の結果、正ミュオンに対する電子の束縛は極めて弱く、 実際の水素不純物も同様のメカニズムにより電子を放出し、絶縁性の低下を引き起こすことを解明。 Applied Physics Letters誌に論文掲載。 


  • 伊藤 孝

  • 髭本 亘

  • 松田 達磨

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p13072201/

2013年7月16日
グラフェンと磁性金属の界面で起こる特異な電子スピン配列を発見 -グラフェンへのスピン注入の効率化に新たな指針-
松本 吉弘/圓谷 志郎/大伴真名歩/P.Avramov/楢本 洋/境 誠司(分子スピントロニクス研究Gr.)

深さ分解X線磁気円二色性分光法を用いて、グラフェンと磁性金属(ニッケル)薄膜の接合体を分析し、 グラフェンと磁性金属の界面近傍で、電子スピンの向きが面内方向から面直方向に変化して配列していることを発見。 グラフェンへの高効率スピン注入の実現に指針。 Journal of Materials Chemistry C誌に論文掲載。 


  • 松本吉弘

  • 圓谷志郎

  • 大伴 真名歩

  • Avramov

  • 楢本 洋

  • 境 誠司

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p13071601/

2013年6月18日
グラフェンの伝導電子のスピン状態を解明 -グラフェンなど二次元物質のスピン物性研究と素子応用に道を拓く-
圓谷 志郎(分子スピントロニクス研究Gr)

先端基礎研究センターの圓谷 志郎任期付研究員、独立行政法人物質・材料研究機構の山内泰グループリーダーらは、 スピン偏極準安定ヘリウムビームを用いることで、素子構造において磁性金属と接合したグラフェンのみの電子スピン状態を検出することに成功しました。 Carbon誌に論文掲載。


  • 圓谷 志郎

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http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p13061801/

2013年6月18日
ウラン化合物の超伝導前駆状態における電子ひずみの原子レベルでの測定に成功 -磁気に誘発される新しい超伝導機構の可能性-
神戸 振作/徳永 陽/酒井 宏典(重元素系固体物理研究Gr.)
松田 達磨/芳賀 芳範/Z.Fisk(アクチノイド物質開発研究Gr)

ウラン化合物超伝導体URu2Si2で未知の超伝導前駆状態における電子ひずみを、 核磁気共鳴(NMR)法を用いて原子レベルで測定することに成功。
Physical Review Letters誌に論文掲載。 


  • 神戸 振作

  • 徳永 陽

  • 酒井 宏典

  • 松田 達磨

  • 芳賀 芳範

  • Fisk

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http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p13032701/

2013年5月17日
銅やアルミニウムで磁気の流れを生み出す原理を発見 -レアメタルフリー磁気デバイス開発に道-
松尾 衛/家田 淳一(量子物性理論研究Gr) 針井 一哉/齋藤 英治(力学的物質・スピン制御研究Gr) 前川 禎通(先端基礎研究センター)

音波注入によって振動する金属中における磁気の流れを精密に表す基礎方程式を導き、 音波注入によって金属中にスピン流を生みだす新しい原理を発見しました。 本研究によって、貴金属や磁石を必要としない省電力磁気デバイス開発への貢献が期待できます。 論文はPhysical Review B, Rapid Communicationsに掲載されました。


  • 松尾 衛

  • 家田 淳一

  • 針井 一哉

  • 齊藤 英治

  • 前川 禎通

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http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p13051701/

2013年5月17日
世界最高のスピン偏極率をもった陽電子ビームの開発に成功 -電子スピンの新たな検出法の開発に道筋-
前川 雅樹/深谷 有喜/河裾 厚男(スピン偏極陽電子ビーム研究Gr)

当研究グループではスピンの向きを揃えた(偏極させた)陽電子を材料中の電子に作用させ、 電子スピンの検出を目指して研究を進めてきました。今回、加速器を使って高強度の陽電子線源(ゲルマニウム-68)を生成し、 この線源を用いたものとしては世界最高のスピン偏極率 を持つ陽電子ビームの開発に成功しました。本成果により、 スピン偏極陽電子ビームを用いた陽電子消滅法が、スピントロニクス開発に必要な電子スピンの新たな評価手法となることが期待されます。 Nuclear Instruments and Methods誌に論文掲載。


  • 前川 雅樹

  • 深谷 有喜

  • 河裾 厚男

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http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p13051702/

2013年4月22日
磁気の波を用いた熱エネルギー移動に成功
針井 一哉(力学的物質・スピン制御研究Gr)安立 裕人(量子物性理論研究Gr)、前川 禎通(センター長)、齊藤 英治(力学的物質・スピン制御研究Gr)

磁気の波(スピン波)を利用することで、熱エネルギーを望みの方向に移動させることができる基本原理を考案し、これを実証しました。この手法により、デバイスからの排熱効率を上げることが可能となり、今後、次世代省エネルギーデバイス技術の開発に貢献することが期待されます。論文はNature Materialsに掲載されました。


  • 針井 一哉

  • 安立 裕人

  • 前川 禎通

  • 齊藤 英治

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http://www.jaea.go.jp/02/press2013/p13041901/

2012年度

2013年3月27日
ウラン化合物超伝導体において結晶格子をひずませることにより低温の電子状態を高温で出現させることに成功
神戸振作(重元素系固体物理研究Gr)

ウラン化合物超伝導体(URu2Si2)を17.5K以下の極低温に冷却した際に出現する電子状態を、結晶に力を加えてひずませることで、より高温で出現させることに成功しました。極低温で格子ひずみを人工的に作る新しい技術により初めて得られた成果で、ウラン化合物超伝導体において長年未解明の電子状態の理解を大きく前進させものです。 論文はPhys. Rev. B 87, 115123 (2013) 


  • 神戸 振作

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http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p13032701/

2013年3月27日
放射性セシウムの特殊な吸着挙動を解明
大貫 敏彦、香西 直文(バイオアクチノイド化学研究Gr)

福島第一原子力発電事故により降下した放射性Csは、土壌中のイライトなど小さい粒径の粘土鉱物に強く吸着していると考えられていました。しかし、ふるい分けなどにより粘土鉱物を多く含む細粒部分を除去しても、まだ大部分の放射性Csが残っているケースもあり、その原因としてカオリナイトやバーネサイトなどの粒度の比較的大きな鉱物にも強く吸着することを見いだしました。より効果的な除染の実施に寄与する知見です。


  • 大貫 敏彦

  • 香西 直文

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http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p13031501/

2012年9月11日
直流磁場から交流電圧を生み出す機構を発見
家田 淳一(量子理論物性研究Gr)、前川 禎通(センター長)

家田淳一研究員、前川禎通センター長は、形状を工夫した磁石の内部に存在する磁壁の運動を制御することにより時間変化しない直流磁場から交流の電圧を生み出す機構を見出しました。磁場の大きさや、磁石の形状を変えることで出力電圧の交流特性も制御可能とするもの。本研究成果は、Applied Physics Lettersに掲載されるとともに、出版元のAmerican Institute of Physicsの注目論文として取り上げられ、既に多くの反響があります(1,2,3,4,5,6)。


  • 家田 淳一

  • 前川 禎通

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p13010901/

2012年11月16日
特定エネルギーで生じる新しいDNA損傷機構を発見
岡 壽崇(元博士研究員、現大阪大学産業科学研究所特任助教)、 横谷 明徳(放射場生体分子科学研究Gr)

SPring-8によってX線のエネルギーを精密に調整しつつDNAの照射実験を行ったところ、 窒素や酸素のイオン化レベルをわずかに超えた領域では、放出される電子が 再び原子に捕らえられ、反応性の高い不対電子となっていることがオンラインのEPR(電子常磁性共鳴)装置で検出されました。 これはこれまで認識されていないメカニズムのDNA損傷を引き起こすと考えられます。論文は Physical Review Lettersに掲載されました。


  • 岡 壽崇

  • 横谷 明徳

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12111601/

2012年9月11日
スピン流を用いた高感度磁気センサーの原理を解明
前川 禎通(センター長)、Bo Gu(量子物性理論研究Gr)

東京大学物性研究所の大谷義近教授らの研究グループとともに、 電荷の動きを伴わないスピンのみの流れである純スピン流を利用して、常磁性体から強磁性体に転移する温度付近で電圧信号に異常が現れることを発見。 この異常はごく微量の強磁性体でも非常に敏感に現れ、超伝導量子干渉計(SQUID)をもはるかに凌駕する感度として、超高感度磁気センサーとしての応用が期待されます。


  • 前川 禎通

  • Bo Gu

詳細情報はこちら
http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/issp_wms/DATA/OPTION/newsrelease20120912.pdf

2012年5月23日
スピン起電力をリアルタイムで検出
前川 禎通(センター長)

前川禎通センター長、大江純一郎講師(東邦大学、元先端研博士研究員)は、大阪大学、京都大学化学研究所、物質・材料研究機構、マイアミ大学との共同研究で、ミクロな強磁性円盤から発生するスピン起電力の実時間観測に成功しました。 スピン起電力は磁化の運動の付随する複雑な効果であるため、これまでは、平均化したシグナルの検出報告しかありませんでしたが、 磁気渦と呼ばれる特殊な磁化構造の運動を用いて、スピン起電力を局所的にかつリアルタイムで検出することに成功しました。 Nature communications誌に掲載。


  • 前川 禎通

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12052301/

2012年5月23日
世界で初めてPu-239のNMR信号の観測に成功
安岡 弘志、中堂 博之(力学的物質・スピン制御研究Gr)

米国ロスアラモス国立研究所のJ. D. Thompson博士らの研究グループとともに、 世界初となる239Puの核磁気共鳴(NMR)信号を二酸化プルトニウム(PuO2)において発見しました。今回の信号観測成功は 239Pu核の核磁気モーメントを決定した大きな発見であるとともに、Pu化合物高温超伝導体の超伝導発現機構解明に貢献できることや、 世界的な問題であるPuを含む核燃料廃棄物の長期安全保存に関して、Puの酸化状態を微視的に解明できる唯一の手段として注目されています。 詳細はこちら。 米国科学誌Scienceに掲載。


  • 安岡 弘志

  • 中堂 博之

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12051701/

2012年4月17日
磁石のミクロな運動が生む電気の高出力化機構を解明
山根 結太(学振特別研究員)、家田 淳一(アクチノイド物質開発研究Gr)前川 禎通(センター長)

大きな磁気異方性を有する特殊な磁石を用いることで、磁石の内部に存在する磁壁の運動*2が生み出す起電力を安定的に高出力化することが可能であることを見出しました。Appl. Phys. Lett.に掲載。


  • 山根 結太

  • 家田 淳一

  • 前川 禎通

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12041701/

2012年4月13日
超伝導体を用いて磁石のミクロな運動を高精度に測定する原理を発見
森 道康(量子物性理論研究Gr)、前川 禎通(センター長)

森道康グループリーダーと理化学研究所の挽野真一研究員、小椎八重航副チームリーダーは、 強磁性体中(磁石)における磁壁の振動運動が、超伝導接合の電流電圧特性を用いて高感度かつ高精度で観測可能であることを見出しました。 磁壁を利用した磁気ランダムアクセスメモリーなどの開発促進に期待。Appl. Phys. Lett.に掲載。


  • 森 道康

  • 前川 禎通

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12041301/

2012年4月11日
ウラン化合物で自発的に回転対称性を破った超伝導を検出
芳賀 芳範、大貫 惇陸(アクチノイド物質開発研究Gr)

芳賀芳範主任研究員、大貫惇睦客員研究員(大阪大学教授)は、東京工業大学大学院、 東北大学、岡山大学との共同研究で、ウラン化合物UPt3において、結晶構造から期待される対称性から自発的に回転対称性を破った超伝導状態が 実現していることを実験的に明らかにした。非従来型超伝導の理解に貢献すると期待される。Phys. Rev. Lett.に掲載。


  • 芳賀 芳範

  • 大貫 惇陸

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2012/p12041101/

2011年度

2012年3月30日
グラフェンの精密層数制御と高均質化に成功
圓谷 志郎、境 誠司(分子スピントロニクス研究Gr)

超高真空中に導入した原料分子が、触媒金属の表面で化学反応してグラフェンが 成長する過程を逐次的にモニターすることに成功。グラフェンの成長条件を明らかにし、炭素原子層数の精密制御を初めて実現した。この方法で 層数を精密に制御したグラフェンでは、剥離法による膜の問題であった電子状態の不均一性が解消され、 シート全体に渡って均質な材料が得られた。グラフェンの電気的性質の制御が可能になり、デバイス応用へ道を拓く成果である。 J. Appl. Phys. 111, 064324 (2012)で発表。


  • 圓谷 志郎

  • 境 誠司

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12033001/

2012年3月1日
超伝導に関与する異常な電気抵抗を発見
立岩 尚之、松田 達磨、芳賀 芳範、Zachary Fisk、大貫 惇睦(アクチノイド物質開発研究Gr)

先端基礎研究センターの立岩尚之研究副主幹、松田達磨研究副主幹、芳賀芳範サブリーダー、Zachary Fiskグループリーダー及び 大貫惇睦 大阪大学教授(客員研究員)らの研究グループは、ウラン化合物超伝導体URu2Si2において、超伝導と密接に関係する電気抵抗の成分が 存在することを発見しました。Physical Reviewオンライン版に掲載。


  • 立岩 尚之

  • 松田 達磨

  • 芳賀 芳範

  • Zachary Fisk

  • 大貫 惇睦

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12030101/

2011年9月7日
超伝導に関与する電子の異常な磁気の揺らぎを観測
酒井 宏典(重元素系固体物理研究Gr)

酒井宏典研究副主幹(重元素系固体物理研究グループ)は、米国ロスアラモス国立研究所の J. D. Thompson博士らのグループとともに、従来の超伝導理論では説明できない新奇な超伝導を引き起こすと考えられている電子の磁気的揺らぎを、 初めて極低温まで観測しました。今回の実験で明らかになった強い磁気的揺らぎの特異性は、銅酸化物高温超伝導体の異常金属状態にも 共通するものと考えられ、高温超伝導の普遍的な物性理論構築に貢献し、新しい高温超伝導体開発に繋がるものと期待されます。本研究成果は、Physical Review Letters のオンライン版に掲載。 


  • 酒井 宏典

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11091501/

2011年8月21日
超音波から磁気の流れを創り出すことに成功 -省エネルギー・新機能電子デバイス技術開発に道-
齊藤 英治(力学的物質・スピン制御研究Gr)、前川 禎通(センター長)

東北大学大学院後期博士課程3年の内田健一氏、東北大学金属材料研究所の齊藤英治教授(日本原子力研究開発機構先端基礎センター客員グループリーダー兼任)、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの前川禎通センター長らは、音波を注入することによりスピン(磁気)の流れを生成できる新しい手法を発見しました。


  • 齊藤 英治

  • 前川 禎通

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11082201/

2011年8月10日
新しい磁性半導体の開発に成功 -スピントロニクス応用へ道を拓く-
髭本 亘、伊藤 孝(重元素系固体物理研究Gr)、Bo Gu(量子物性理論研究Gr)、前川 禎通(センター長)

新しい強磁性半導体Li(Zn,Mn)Asの開発に成功。磁気的性質と電気的性質を独立に制御できる可能性があり、 更にp-n接合への道も拓かれていることからスピントロニクスへの応用が期待される。中国科学院、米国コロンビア大学、東京大学との共同研究。 黎明研究・国際共同研究プロジェクト(研究代表:植村泰朋コロンビア大学教授)の一環。本研究成果は、 Nature communicationsのオンライン版に掲載。


  • 髭本 亘

  • 伊藤 孝

  • Bo Gu

  • 前川 禎通

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11081001/

2011年6月27日
あらゆる物質で利用可能な新たなスピン流注入手法を発見
家田 淳一(量子物性理論Gr)、齊藤 英治(力学的物質・スピン制御研究Gr)、前川 禎通(センター長)

先端基礎研究センターの家田任期付き研究員、斎藤英治GL、前川禎通センター長らは、あらゆる物質へ応用可能な新たなスピン流注入手法を発見しました。 今回の研究では、磁性金属と半導体から成る素子を作製し、半導体層における磁気・電気変換現象を用いることで、磁性金属中の磁気のダイナミクスを 利用した半導体へのスピン流注入の検出に初めて成功しました。東北大学、ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所との共同研究。Nature Materialsのオンライン版に掲載。 


  • 家田 淳一

  • 齊藤 英治

  • 前川 禎通

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11062701/

2011年6月13日
非磁性体(銀)に巨大な磁気を持たせることに成功
前川禎通(センター長)

磁気(スピン)を非磁性材料である銀の中に効率よく注入・蓄積することに成功、従来の100倍以上という世界最高性能の出力電圧 (磁気蓄積量)を達成しました。強磁性体であるパーマロイ(鉄とニッケルの合金)と非磁性体である銀との間に、酸化マグネシウム層を挟んで、 注入の障害となるスピン抵抗の不整合を解消。今後は、スピン流やスピン蓄積を用いた超高感度磁気センサー、大容量不揮発性メモリー素子、 スピン演算素子などへの応用開発が加速すると期待できます。理研、東大、東北大との共同研究。


  • 前川 禎通

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http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11061301/

2010年度

2011年2月15日
回転運動から磁気の流れを生みだす手法を発見 -ナノスケールのモーター・発電機の開発に道-
前川 禎通(センター長)、齊藤 英治(力学的物質・スピン制御研究Gr)、松尾 衛(量子物性理論Gr)

一般相対性理論を取り入れた電子の磁気の流れを記述する基礎方程式を導き、物体の回転(加速運動)によって電子の 自転の向きを揃えて磁気の流れを生みだす新しい現象を発見しました。 前川センター長のインタビュー記事(PhysOrg.com)


  • 前川 禎通

  • 齊藤 英治

  • 松尾 衛

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http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p11021501/

2011年1月28日
ウラン化合物における四半世紀の謎「隠れた秩序」を解明
芳賀 芳範(アクチノイド物質開発研究Gr)

物質物理学における長年の謎であったウラン化合物に現れる「隠れた秩序」状態において、結晶構造からは期待されていなかった回転対称性の 破れを実験的につきとめました。この結果は今まで20以上も提唱されていたこの謎に対する理論の前提を覆すもので、 物質の状態に対する新しい理解へつながると期待されます。


  • 芳賀 芳範

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http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p11012801/

2010年9月27日
絶縁体からの熱電発電に成功 -グリーン・省エネデバイス開発に道-
前川 禎通(センター長)、齋藤 英治(力学的物質・スピン制御研究Gr

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長:鈴木篤之)先端基礎研究センターの前川禎通センター長、国立大学法人東北大学(総長:井上明久)の齊藤英治教授(原子力機構先端基礎研究センター客員グループリーダー兼任)、東北大学大学院生の内田健一氏らは、温度差をつけた絶縁体から電気エネルギーを取り出す新しい手法を発見しました。


  • 前川 禎通

  • 齋藤 英治

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http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p10092701/

2010年6月7日
超伝導体への磁気注入に世界で初めて成功 -超伝導を用いた量子コンピュータへ道を拓く-
前川 禎通(センター長)

日本原子力研究開発機構(理事長:岡﨑俊雄)先端基礎研究センターの前川禎通センター長、東北大学(総長:井上明久)金属材料研究所の高橋三郎助教、及びIBMアルマデン研究所のStuart S. P. Parkin博士、Hyunsoo Yang博士、See-Hun Yang博士らの研究グループは共同で、超伝導体へスピン注1)と呼ばれる磁気を注入して超伝導を制御することに世界で初めて成功し、超伝導状態でのスピン(磁気)が通常の状態に比べて100万倍も安定であることを見出しました。


  • 前川 禎通

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http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p10060701/

2010年5月12日
太陽系に存在する最も希少な同位体タンタル180が超新星爆発の ニュートリノで 生成されたことを解明
千葉 敏GL(重原子核反応フロンティア研究グループ)

日本原子力研究開発機構(理事長・岡﨑俊雄)量子ビーム応用研究部門の早川岳人研究主幹、先端基礎研究センターの千葉敏研究主幹、国立天文台(台長・観山正見)理論研究部の梶野敏貴准教授らの共同研究グループは、これまで宇宙における起源が不明であったTa-180(タンタル180)1)が、超新星爆発2)において発生する膨大な量のニュートリノ3)による核反応で生成したことを理論的に明らかにしました。

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http://www.jaea.go.jp/02/press2010/p10051201/

2009年度

2010年1月28日
超高時間分解能による高温水、超臨界水の放射線分解の観測に成功 -原子炉冷却水の管理技術向上に寄与-
林 銘章 (放射線作用基礎過程研究Gr.)

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑俊雄、以下「原子力機構」という。)先端基礎研究センター放射線作用基礎過程研究グループの林銘章任期付研究員(副主任研究員)および勝村庸介グループリーダーらは、国立大学法人東京大学(総長 濱田純一)大学院工学系研究科原子力専攻の室屋裕佐助教、フランス・パリ南大学(学長 Guy Couarraze)物理化学研究所のMehran Mostafavi教授らとの国際共同研究により、短パルス幅の放射線を照射するパルスラジオリシス1)の手法を応用して、室温から超臨界状態にわたる高温高圧水の放射線分解挙動2)をピコ秒の時間分解能で観測することに、世界で初めて成功しました。

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http://www.jaea.go.jp/02/press2009/p10012801/

2009年11月5日
放射光軟X線を用いて選択的DNA損傷の誘発に成功 -新たなDNA操作技術への応用につながると期待-
藤井 健太郎 (放射線作用基礎過程研究Gr.)

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑俊雄、以下「原子力機構」という。)先端基礎研究センター放射線作用基礎過程研究グループの藤井健太郎研究員らは、大型放射光施設(SPring-8)の軟X線1)を用いて選択的にDNA損傷2)を誘発させることに世界で初めて成功しました。これにより、将来、DNAの修復に関する医療等の研究分野やDNAをナノデバイスとして利用する産業開発等の分野において、新たなDNA操作技術への応用が期待されます。

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http://www.jaea.go.jp/02/press2009/p09110501/

2009年8月27日
超重力場を用いた同位体分離法の実現のカギとなるロータを世界で初めて開発
小野 正雄 (極限環境場物質探索Gr.)

独立行政法人日本原子力研究開発機構【理事長 岡﨑俊雄】(以下、「原子力機構」)の先端基礎研究センター極限環境場物質探索グループの小野正雄研究員らと丸和電機株式会社(以下、「丸和電機」)技術部回転機械課の末吉正典らは、超重力場(地上の重力の数十万倍の遠心加速度場)(1)を用いて「固体」や「液体」状態にある物質中の同位体(2)を分離する方法の実現のカギとなる超遠心機(3)ロータを世界で初めて開発しました。

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http://www.jaea.go.jp/02/press2009/p09082701/

2008年度

2009年2月18日
微生物による白金族元素ナノ粒子触媒の作製に成功 -微生物の不思議な力に迫る-
鈴木 義規 (重元素生物地球化学研究Gr.)

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑俊雄、以下「原子力機構」と言う)先端基礎研究センターの鈴木義規博士研究員及び大貫敏彦研究主席らと国立大学法人名古屋大学(総長 平野眞一、以下「名古屋大」と言う)エコトピア科学研究所の榎田洋一教授との共同研究グループは、微生物(鉄還元菌1))を用いて白金族元素2)ナノ粒子(1mmの一万分の一以下の粒子)3)を作製することに成功しました。さらに、この材料を水素と重水素の同位体交換4)の触媒として用いると最大で従前比6倍もの高い有効性を示すことを世界で初めて明らかにしました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2008/p09021801/

2009年1月22日
フラーレン-コバルト薄膜の巨大な磁気抵抗効果の起源を解明 -有機分子のスピンが流れる電子のスピンを偏らせる-
松本 吉弘 (極限環境場物質探索Gr.)

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑俊雄、以下「原子力機構」という)先端基礎研究センターの松本吉弘博士研究員と境誠司副主任研究員は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構分子科学研究所(所長 中村宏樹、以下「分子研」という)の横山利彦教授、国立大学法人東北大学金属材料研究所(所長 中嶋一雄、以下「東北大金研」という)の高梨弘毅教授、三谷誠司准教授、及び国立大学法人東京大学大学院理学系研究科(以下、「東大」という)の島田敏宏准教授らと共同研究で、フラーレン(C60)1)-コバルト(Co)2)薄膜の巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果3)が、同薄膜中の磁性を持つC60-Co化合物に局在するスピンにより、電気伝導に関わる電子のスピン4)の向きに大きな偏り(スピン偏極)が生じるために発現することを明らかにしました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2008/p09012201/

2009年1月21日
絶対零度で起こる未知の相転移(量子相転移)を解明 -超伝導が起こる仕組みの解明を進展-
神戸 振作 (アクチノイド化合物磁性・ 超伝導研究Gr.)

独立行政法人日本原子力研究開発機構【理事長 岡﨑俊雄】先端基礎研究センターアクチノイド化合物磁性・超伝導研究グループの神戸振作研究主幹らは、核磁気共鳴(NMR)法1)を用いた実験により、これまで謎であった絶対零度(-273℃)で起こる未知の相転移(量子相転移)2)を明らかにしました。

詳細情報はこちら
http://www.jaea.go.jp/02/press2008/p09012101/

日本原子力研究開発機構

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